プレス・金型コラム 新米女将 鉄子の部屋
2026.07.10

【導入事例】「無理かも」と言われた絞り成形を、3回の試作で成功させた話

こんにちは。新米女将の鉄子です。
川浦製作所のIT担当(という名の何でも屋)、新米女将の鉄子です🙋‍♀️
今日は、最近あったお客様の案件で「これは無理かもしれない…」と社長も最初は悩んでいた話を、許可をいただいてシェアします。

結論から言うと、3D CAD(シンクデザイン)のおかげで、見事に解決できました!
でも、そこに至るまでには紆余曲折があって…その過程がすごく勉強になったんです。

「複雑な形状で、他社に断られまして・・・」

事の発端は、ある日の午後でした。
電話がかかってきたのは、県内の精密機器メーカーS社様。

「実は、新製品の部品で、複雑なR計上の絞り成形が必要なんです。でも2社に見積依頼したところどちらも『この形状は難しい』と断られてしまって・・・」

という内容でした。電話を取った私は、すぐに社長に取り次ぎました。
社長は図面をメールで送ってもらい、じーーーーっと見る事約10分

・・・これは確かに難しいなぁ。。。

(え!社長もですか驚き顔

何が「難しい」のか?素人の私にもわかるように教えてもらった

社長、これなにがそんなに難しいんですか??

鉄子さん、見てごらん。この部分、Rがきつい上に深さもあるでしょ。しかも、この角度で曲がってる

よくわからない・・・

難しさ1: 複数のR形状が組み合わさっている

普通の絞り成形は、1方向に引っ張る感じ。でも今回は、「縦に深く、横にも曲がり、さらにRもきつい」という三重苦。スプリングバックの見込みが難しい。それを金型形状に変形させるのも大変。

難しさ2: 材料の「破断」リスク

金属は引っ張りすぎると破れます。特に、複雑な形状だと「ここは伸びすぎ、ここは足りない」というバランスが超シビア。

難しさ3: 金型設計の難易度

従来の2D図面や簡易3Dだと、「実際にプレスしたらどう金属が流れるか」が読みづらい。部品が3次元になってくるので、二次元CADだと部品の形状がイメージしにくい。

「これ、ちょっと考えさせてくれって言おうかな…」

社長の決断「シンクデザインの出番だ」

社長は諦めなかった。

せっかく3D CADがあるんだから、これで勝負してみよう

正直、私はまだ触れもしませんが(笑)

決断のポイント
①シンクデザインなら、複雑な曲面を正確にモデリングできて、スプリングバックの文変形させることができる(モデリングし直す手間が省ける)
②設計そのものが早くできる

ということで社長はS様に「やってみます。ただし、試作で3回くらいはトライさせてください」と電話しました。

第1回試作: 予想通り、破断

約2週間後、最初の試作金型が完成。
社長と社員さんが、慎重にプレス。
私も現場で見学させてもらいました。

ピシッ…という嫌な音。

材料が破れてしまいました泣き顔
でも、社長は落ち込んでない。むしろ、ニヤリとしてる。

よし、予想通りだ。ここが問題だってわかった

破断した場所を3D CADに記録し、その日の夜、社長は金型の修正設計。

第2回試作: 破断は回避、でも「シワ」が・・・

修正金型で2回目のトライ。
今度は破断しませんでした!でも…材料に「シワ」が寄ってしまう部分がある。
これは、金属が余ってしまって、行き場を失った状態。

ここの金属の流れをもう少しコントロールする必要がある。パンチの当たり方を微調整しよう

また、夜な夜な3D CAD作業。
私も横で見てたんですが、シンクデザインの画面で、金型の形状をなめらかに微調整してるんです。
すごい集中力…☕を差し入れするくらいしかできませんでした。

第3回試作: 成功!お客様も驚きの仕上がり

そして、3回目。
プレス機のスイッチを入れる社長の顔が、いつもより真剣。

ガシャン!

製品を取り出して、じっくり確認。破断なし、シワなし、寸法OK!
完璧な成形品が出来上がりました✨

すぐにS社様に連絡し、製品を確認していただいた結果・・・

これはすごい!他社に断られて途方に暮れていたんですが、まさかここまで形状の再現性があるものができるとは!!

とお喜び頂きまして、社長も嬉しそうに笑っていましたウインク顔

この案件で学んだこと

新米女将の私が、この一連の流れで学んだことをまとめます。

1. 「難しい」は「できない」じゃない

最初は社長も難色を示したこの案件。でも、諦めずに挑戦したから成功した。

他社が断った理由は「できない」じゃなく「やりたくない(リスクが高い)」だったのかも。

2. 試作のプロセスが信頼を生む

S社様は、3回の試作プロセスを見て、すごく信頼してくださった。

「ちゃんと考えて、改善して、結果を出してくれる会社だ」って。

一発で成功するより、むしろ改善のプロセスを見せることが、信頼につながるんだと実感。

3. 職人技 × 技術 = 最強

シンクデザインというツールも、それを使いこなす社長の経験と勘があってこそ。

「この部分の金属の流れは、こうなるはず」という予測は、創業52年の経験から来てる。

技術だけでも、経験だけでもダメ。両方の融合が大事。

この事例から、伝えたいこと

もし、今、こんな悩みを抱えているなら:

  • 「この形状、プレス加工できるのかな?」
  • 「他社に断られたけど、どこか対応してくれるところないかな?」
  • 「試作の段階から相談に乗ってくれる金型メーカーを探してる」

川浦製作所に、ぜひ相談してください。

「無理かも」と思う案件こそ、実は私たちのやりがいだったりします(社長談)。

当社の強み(この事例でわかったこと)

  • 1. 3D CAD(シンクデザイン)による精密設計
  • 2. 3Dスキャナーとの組み合わせで、複雑形状にも対応
  • 3. 試作から量産まで一貫対応(窓口一本化)
  • 4. 創業52年の経験に裏打ちされた技術力
  • 5. 「断らない」姿勢(できる方法を一緒に考える)

    まずは図面かデータを見せてください

    「これ、できますか?」

    その一言からで構いません。

    図面やデータを見せていただければ、社長が「できる/できない」を判断します。

    無料相談、大歓迎です!

    しかも、「できない」という結論でも、なぜできないか、どうすればできるかまで、ちゃんと説明します。

    それが、川浦製作所のスタイルです。

    PROFILE

    新米女将 鉄子
    新米女将 鉄子
    どうも川浦鉄子と申します。あたくしは、型屋には無縁なお仕事をしてまいりましたが、ご縁があり型屋に嫁ぎ金属に触れる日々を過ごしております。新しい発見ばかりで毎日楽しく過ごしながらプレス金型などについてご紹介してまいります
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