-
027-371-5544受付時間:8:00~17:00(平日)
今回は、新米鉄子(以降、鉄子)のギモンを社長に尋ねてみる回です。
鉄子: 社長に質問です。川浦製作所はプレス金型の設計製作を行う会社ですが
プレス加工について教えてください。
社長: はい、それでは新米鉄子に質問。鉄子も工場内にも入るから目にして
いると思うけど、プレス機にお仕事をしていただくために必要な「もの」
とは何だと思うかな?
鉄子: プレス機で欠かせない「もの」⇒ それは「金型」です!
社長: はい、正解〇。
その「金型」をプレス機にセットして所定の製品を製作していくのですが
プレス機がお仕事をするプレス加工法について知っているものはあるかな?
鉄子: 曲げ加工、絞り加工は見たことがありますが、他はわかりません。
他にはどのような加工法がありますか?
社長: 大きく分けて、剪断加工(打ち抜き、カット等)、鉄子が見たことのある
曲げ加工・絞り加工・圧縮(つぶし、カシメ)の加工がプレス機の主な仕事となるのだよ。
それぞれの加工法を順次加工して所定の製品を作っていきます。
それでは、ここからは金型の種類についてお話するね。
一般的に一台のプレス機で、ひとつの金型の中で材料を送って段々、製品に成形していく
のが「順送型」と呼ばれています。最後の工程まで材料をつなげたまま次工程に送ってい
きます。
そのため、上記の剪断・曲げ等の工程が多数組み込んである金型です。
例えば
(ひとつの金型に)10工程が組み込んである順送型であれば、材料をセットした後、
10回プレス機が(上下に)動くと、11回目からは製品が金型より排出されてきます。
これが「順送型」と呼ばれる金型です。
トランスファー型と呼ばれる金型は1台のプレス機に複数の工程の金型を取り付け、フィンガ
ー と呼ばれる搬送機で材料を次工程に送り順次加工をしていく金型です。
一見、順送型と似ていますが、特に大き目の絞り部品で次工程に材料による搬送が難しい物
の場合に用いられます。
順送型・トランスファー型は、大量に部品を加工する際に最も効率が良く、自動車や家電等
の部品の大量生産品によく用いられています。
プレスの高生産性の特徴を最も発揮できる金型の形態です。
近年は、プレス作業者不足などで、機械が使われず遊んでしまうような場合等にも、一定数
の生産を行う場合などに良く用いられます。
(プレスにセットすれば、基本的に人が見ていなくても良いため)
1台のプレス機に1~2工程の金型をセットしてオペレーターが材料の挿入、加工後の取り出し
をする加工法の金型を「単発型」と言います。
この単発型はオペレーターが必要なためトランスファー型のようにはいきませんが、良い点
は加工工程が分けられるため、プレス機1台当たりの加圧能力が小さくても大きな部品の加工
ができます。(各工程別になるため1工程でプレス機のマックス能力を使える)
また、生産数が少ない場合にも良く使わます。
鉄子: 社長、 生産数が少ない場合にも良く使われるにはなぜでしょうか?
社長: 例えば、抜き工程はレーザー加工で加工し、曲げや絞りなどの工程の金型を用意して部
品を生産することができるからなんだよ。
そのため、プレスブレーキでの曲げが多い部品などは、曲げ型を一つ作成すれば、曲げ
が大幅に省力化を図ることができるのだよ。
また、ある部品のみ形状が違う部品なども、途中工程までは二部品共通の工程の金型
で加工をし、違う形状のところの工程の金型を用意すれば2種類の部品の作り分けが
できて、工程の短縮も可能となります。
弊社ではこの「単発型」を得意としています。
「単発型」は工程が多くなると、当然、金型の数が多くなりますが、ひとつの金型の中
で、より多い加工数をこなす金型を設計することが「肝」となるため設計は最重要の
パートと言えます。
オペレーターによって金型内に製品を置く為、製品が置きやすい配置に設計をするなど
安全で効率化の提案を行い、お客様のニーズにお応えしていける金型製作を心掛けた
設計を行っています。
鉄子: 社長、よく理解できました。有難うございました。
新米鉄子のギモン、ひとつ解決しました。
まだまだ若輩者で知らない事ばかりです。またギモンについて教えてください。
宜しくお願い致します。
社長: 承知しました。