-
027-371-5544受付時間:8:00~17:00(平日)
前述いたしました「鋼材の種類 前回の続き②」にて少し触れましたが、製作後、熱処理を
施さないと金型としての機能を果たしません。(鉄子びっくり!)
と、言うことで、
今回は熱処理について、社長にレクチャーいただきましたのでそのことについて投稿したいと
思います。
そんなひとくちに「熱処理」と言っても、焼き入れ・焼き戻し・焼きなましなどを総称したもの
なのだそうです。焼き入れから参りますです。
・焼き入れとは、鋼材の温度を上げて、急冷させて鋼材の硬さを硬くさせることです。
鋼種により、水、油などに入れて急冷させます。これにより、鉄で鉄を切ったり
曲げたりできるような硬度になるのだそうです。という事は、焼き入れを施すと
刃物による加工は非常に難しくなるという事を意味しますから、焼き入れ前に
切削加工は済ませておかないとなりません。もし、それを怠った場合、
最悪、その部品は「焼きなまし」(詳細は後述いたします)を施してから作り直し
になるのだそうです。
また、前述のとおり、焼き入れをすると硬くなるのですが、それだけですと硬くなり
脆くなってしまうというのです。(衝撃に弱い)
なので、セットで必ず行う熱処理方法があります。それが「焼き戻し」と言います。
・焼き戻しとは、焼き入れで硬くなってしまった材料を、硬さを減少させて粘りを増加
させる目的で行う熱処理のことです。
靭性を重視する場合は、比較的高温で焼き戻しすることで粘り強くなり、
硬さを重視する場合は、比較的低温で焼き戻しする「低温焼き戻し」を施すと硬さを
損ないにくい。
また、焼入れを行うと、焼入れによって加工品の材料内部に応力(ゆがみたい力)
が、発生するそうなのです。この応力は焼入れ後にも残り、変形・割れの発生、機械的
性質の悪化を生じさせます。このような応力を「残留応力」と呼ぶそうなのですが、
この「残留応力」を焼戻し処理
によって「除去」あるいは「軽減」させることができる
そうです。材料の大きさや加熱時間にもよるようなのですが、焼き戻しで残留応力は
ほぼ半減できるそうなので「焼き戻し」の大切さがわかりますね。
・焼きなまし(焼鈍:しょうどん)とは、適当な温度に加熱し、その温度を保持した後、
徐冷をする熱処理のことです。
簡単に言うと、焼入れ前の状態(加工ができる柔らかい状態)にすることです。
簡単に申しましたが、実は、とても奥が深く、材質や使用方法などにより、まだまだ多く
の熱処理の方法があるそうで、当社では今申し上げたような「シビアな熱処理」に関しては
熱処理協力業者様にお願いしております。
(特急案件などの場合は社内にて熱処理を施すこともあります。)
この様に多種ある素材の選定をして、加工・熱処理を経て加工に使用できる金型を製作して行きます。
*鉄子の編集後記*
ひと言で熱処理と言っても、様々な方法があり、材質によってだったり、使用用途によっても、
熱処理方法を変えたりすることを知る機会となりました。以前にInstagramで社内での焼き入れの
動画を投稿したことがあったのですが、非常に多い再生回数といいねをいただいた経験があります。
しかも海外の方からのいいね!に社長とも驚いた投稿でした。
今回も最後までお読みいただき有難うございます。次回の投稿もお楽しみに~